民法の判例集という本を趣味で読みました

過去に宅建資格を取得した経験があるのみで仕事上にもあまり縁のない分野の本でもあったので、難解というべき本でしたが、それでもいくつかのエッセンスらしきものを読み取ることができました。そのなかでも、“権利は、それを守るべく努めない者には与えられない”ということでした。
 私はそれを不動産の権利に関わる判例から特に強く感じたのですが、そもそも人間の権利というものが自然的に与えられた、あるいは保証されているものではなく、過去の人々の努力によって勝ち取られてきたものであるという歴史的事実をみてもそのことは明らかであると思います。それは中学生レベルで学ぶ歴史を紐解いてみても理解できることです。
 しかし、権利がもつそうした性質(“権利は、それを守るべく努めない者には与えられない”)について、そうした理解を一般の人々が認識し得ているかというと疑問を抱かざるを得ません。少なくともこの日本においてはそうした意識は希薄と言わざるを得ないでしょう。
 実際、私自身が受けてきた教育のなかでも、権利はむしろ義務と結びつけて語られることが多かったように思います。例えば、“やるべきことをやらない人間には権利は認められない”といったようにです。これはあやまりではないと思いますが、一方では権利の内容を重視せずに、義務の遂行をより優先させた捉え方ということもできるように思います。極端にいえば、この表現では権利が義務の遂行の結果として与えられる“ごほうび”のような位置づけを与えられているような気さえします。

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